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フィリピン、ポリ袋に託す希望 被災地でクリスマス準備

記事の概要

台風30号で大きな被害を受けたレイテ島のドゥラグ町で、倒れなかった木をツリーに見立て、住民が身の回りのものを使ってクリスマスの飾り付けをしている。フィリピンは国民の9割以上がキリスト教徒。

元の記事を読む→ 【2013年12月23日:朝日新聞

クリスマスはフィリピン最大の行事

今回はいかにもフィリピンという記事です。ぜひ元記事にある写真を見ていただきたいと思います。せつなさ、健気さ、強さ、たくましさ。いろんな感情が湧いてくるはずです。

ドゥラグの地図

記事に出てくるドゥラグ(Dulag)の町は左の地図の赤いマーカーのところにあります。その上の黄色は今回の台風で一気に有名になったタクロバンです。地図の真ん中ちょっと下のところにセブ(Cebu)も見えるかと思います。

このドゥラグ町ですが、町長さんが台風襲来の前日に住民を説得して強制避難させたおかげで、高潮による犠牲者をゼロに抑えたと話題になった町です。→「早く逃げろ」ドゥラグ町長 犠牲者最小限に

その町でのクリスマスの話題でありますが。フィリピンは国民のほとんどが敬虔なキリスト教徒であり、クリスマスは国民にとって1年で最大のイベントです。クリスマスのために生きていると言っても良いでしょう。

よく知られた話ですが、フィリピンでは9月になるとクリスマスの飾り付けが街に姿を現し始めます。9月から12月までがクリスマスシーズンであることを、「月の名前にberが付く月はクリスマスシーズン」ってなことをフィリピン人たちは言うわけですが、1月になっても2月になってもクリスマスの飾り付けを付けたままですので、1年の半分はクリスマスといいますか、実に厚かましい民族です。笑

常に前向きなフィリピン人

台風被害に遭ったドゥラグの町にもクリスマスがやってきます。9月から飾っていたクリスマスの飾り付けは台風と高波でなくなってしまった。新しい飾り付けを買うお金もない。でも1年に1度のクリスマス。少しでもクリスマスを楽しみたい。

そこでドゥラグの住民たちは身の回りにあるものを使ってクリスマスの準備をはじめました。ツリーがないので台風に倒されずに残った木をそのまま使い、落ちていたCDをぶら下げてみたり、細長いビニール袋に色の付いた水を入れて飾り付けにしてみたり。

高波で何もかも流され、身の回りにあるものといってもたかが知れていることでしょう。でもその状況の中でできる限りのことをしてクリスマスを迎えようとしている。泣かせる話ですね。

日本人だとこうはいかないだろうと思います。そんな気持ちになれないだろうし、なれたとしても不謹慎みたいな空気が周りにただよって、そういうことってできないムードになると思うんです。

でもフィリピン人はそうじゃなくて。どんな状況にあっても前向きで、常に何とかして楽しもうとする。誰かが言っていました。フィリピン人は楽しむことが上手だ、と。彼らのこういうところは見習いたいなと思います。